
映画説明
世界的人気を誇るセガの人気ゲーム「ソニック」シリーズをハリウッドで実写映画化。宇宙最速で走るパワーを持つ青いハリネズミのソニックが、故郷を離れて遠い地球へとやって来る。
ひょんなことから出会った保安官トムとバディを組んだソニックは、マッドサイエンティストのドクター・ロボトニックが企てる陰謀を阻止するべく大冒険を繰り広げる。
主人公ソニックの声を「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でBB-8の声を担当したベン・シュワルツが務め、宿敵ドクター・ロボトニックを「マスク」のジム・キャリー、相棒トムを「X-MEN」シリーズのジェームズ・マースデンがそれぞれ演じる。アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネートの実績を持つジェフ・ファウラーがメガホンをとった。
ソニック・ザ・ムービー : 作品情報 - 映画.comより
公開前のソニック
キャラデザでひと悶着あったソニック
【速報】実写映画『ソニック・ザ・ムービー』2020年3月27日日本公開決定!!あのキモいソニックから一変してるうううう!! : はちま起稿
修正前のコレジャナイソニック
修正後のこれこれ!ソニック
最初のなまじリアルに寄せたソニックは大不評
なんとか公開前にフルモデルチェンジが間に合った今作
結果世界中で大ヒット!
『名探偵ピカチュウ』を超えるとまで言われた。
そして日本に来てまたひと悶着。声優問題が起きた
【悲報】ソニック役を長年努めてきた声優さん、実写『ソニック・ザ・ムービー』の吹替で芸能人に交代か ツイッターで悲しみを吐き出す
セガは金丸さんを推していた
今回のレビューではこの2点についても少し話すので
気になっていた人はぜひ参考にしてほしい
この下からレビューがはじまります
結末などのネタバレは極力避けますが
見る予定の人は見てから読む事をオススメします
見るか迷ってる人は読んで参考にしていただければ幸いです
実に半年ぶりの映画館へ行ってきた
新型コロナの世界的な流行でありとあらゆる興行が中止、映画もほとんどが公開中止か延期になった。今回レビューするソニックも3月27日公開予定だった。
そしてついに6月26日公開! だったのですがまだまだコロナムードで映画に行くのはちょっとなぁと避けていました。ところが先日、映画の席予約を見てみると、やっぱりみんな同じ考えなのか席はガラガラ。田舎なのもあって平日昼間の回は基本的に空の様子だったので誰もいない時間を見計らっていくことに。
それが功を奏して200あまりの席に観客は私だけとめちゃくちゃソーシャルディスタンスが保たれた環境で見ることができました。映画業界、心配だなぁ……。
とにかくテンポの良さがソニックらしい
この映画の特筆すべき点はまず、そのテンポ。なんと主役のソニックは映画開始1秒で出るし、その時すでに敵のドクター・ロボトニック(後のエッグマンなので以下エッグマンと書きます)に追いかけられてるという展開の速さ。とにかくこの後もダレる事なくスッキリ見れるので子連れで楽しめる映画だなぁというのが第一印象でした。
公開前にキャラデザでひと悶着あった今作、キャラデザ修正後今度は赤ちゃん時代のソニックがキモい!とありましたがこれは正直キモかった。ですがほんの数分しか登場しないのでまぁこれはどうでもいいかな。
ソニックたちを好きになる仕組み
筆者は正直ソニックってゲームギアで少し遊んだ程度で、特に詳しくはない。ジムキャリー目当てで見に行ったので知識は「足が超速いハリネズミ」ぐらいのもん。一応ゲームのストーリーなんかも軽く調べてみたけどあまり知識は広がらなかった。
そんな程度の知識で見に行ってもこの映画はソニックが好きになれるような導線がスゴイしっかりしてたと思う。映画の冒頭では地球ではない世界でソニックはフクロウに飼われてる。そのフクロウ曰くソニックは「他の者にはないすごい力」を持っていてそれのせいでいつも誰かに狙われてるんだとか。
この「すごい力」ってののおかげでソニックは速く走れるんだけど、どうにもこの力はそれだけではないっぽい。映画の中でも特に説明はなかったけど完全に止まった世界でソニックだけ動けたり、超常現象を起こしたり、走るだけで国が動くレベルの騒動を起こせる力。ソニックが本気を出すシーンはどれもコミカルかつスタイリッシュでとても魅力的! なんだけどこの映画の良さはそういうところではないと思う。
とにかくソニックといいオリキャラの主人公トムといい、エッグマンといい、キャラクターの個性付けだったり性格といった味付けが割とちゃんとしてたなぁと思った。ソニックに関しては、スゴい力のせいでおっかけられても卑屈にならず地球を謳歌して楽しんでる! と表面上では強がっていても、見つからないように生きているからいっつもひとり。
そのせいでとてつもなく一人遊びが上手くなってしまって、ひとり野球でピッチャー バッター キャッチャー 守備 審判全部ひとりで素早くこなしてしまう。ここまではすっごく楽しそうなんだけど最後にランニングホームランをキメたソニックがハイタッチをしようとする。でもこればっかりはソニックの速さをもってしても一人ではできなかった……。
そんなソニックが常日頃から隠れて自分の「架空の家族」と一方的に慕っていたのが主人公のトム。映画での呼び名は基本的に「ドーナツキング」なんだけどその理由は映画館で見てほしい。ソニックはエッグマンに追われるまでは陰から彼の生活を見守り、自分もその中にいるという想像で満足していたのだが、エッグマンに追われたのをきっかけにトムと対面してしまう。
それからはもうソニックは歯止めが効かず、ずーーーーっとしゃべりっぱなし。自分がピンチな状況なのにも関わらず、以前よりよっぽど楽しそうな顔をするソニックにトムも観客も心がきゅっとしてしまう。
なかでもソニックのアクションシーンで、車から飛び出して敵を撃退! トムに「先に行ってて!」と言ってあとから走って追いついて車にすばやく乗り込むシーンが最高にソニックのアンバランスさが出ていて良い。乗り込むまでの動作はアクションスターのようなカッコ良さなんだけど、車のドアを閉める時だけすっごい子供らしい動きをするんだよね。ここでトムも「こいつカワイイな」って思ったに違いないと映画館で私は思った。
ちなみに変更されたモデルに関してはまぁ文句はでないかなといった感じ。時々ちょっとバランスわるいなぁ?と思ったりすることもあるけれど、そこが幼さを生み出していて魅力にもつながってる気がする。
そして問題にもなった声優だけど、正直違和感はない。というか今作のソニックには結構しっくり来ていると思う。でもやっぱり金丸さんが……!という気持ちも痛いほどわかるのでブルーレイなんかで金丸版が入ったらいいなぁと少し思った。
語録だらけのエッグマン
ここまでソニックの良さを書いたけど、私が見たかったのはこのジムキャリーだ。20代後半から40ぐらいまでの人ならわかると思うが映画『マスク』や『トゥルーマンショー』『エースベンチュラ』などで有名なコメディ俳優だ。私は本当にこの俳優が好きでたまらなくて今回のレビューを書くのを決めた。
ジムキャリーがこの手の映画に出る時はなんか少し子供向けというか手加減を感じて『グリンチ』や『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』は俳優としては正しいんだろうけど物足りなさを感じていた。しかし、ソニックでのジムキャリーは10000%ジムキャリー! って感じでマジで成分が濃い。
一挙手一投足がもう「まさにジムキャリー!」って感じのコミカルさだし、吹き替えの山ちゃんもやっぱりしっくりくる。自分の研究所に「悪の研究室」って書いちゃうのもイイし、なんといってもセリフがスゴいのだ。「これ本当に脚本家が書いたの?アドリブでしょジムキャリーの」ってぐらい彼らしいセリフが並ぶ。すべてを羅列するワケにはいかないので字面が面白いものをいくつか並べようと思う(おぼえ書きなので間違ってたらごめん)
エッグマン語録
言う事を聞かないとお前の検索履歴を世界中にバラまくぞ
世界一賢い者の苦労がなにかわかるか?
周りがみんな自分よりバカなことだ!
貴様らの税金の使い道がコレだ!!
思ったどおりだ。だから驚いてないだろ?
ヤギミルクラテを飲むかだと?そんなマヌケに見えるか?
もちろん飲みたいとも、お前のラテは美味い。
友達なんていらない。
結婚式に呼ばれたりスピーチしたりめんどくさぁい
いかがだろうか?めちゃくちゃジムキャリーで想像してみてほしい。とてもしっくりくるし顔が浮かんでくると思う。こんなはちゃめちゃな言動ばかりのエッグマンだが、実に優秀な男である。というかこの作品のいいところでもあるんだけど、ソニック、トム、エッグマンどれも主要人物がちゃんと賢い行動とるところ。
「えーなんでそこ気づかないの」とかいう詰めの甘さがあまりないのだ。エッグマンに至ってはソニックにけしかけるメカに彼の用意周到さがよく出ている。最初は戦車のような大きな車がソニックを襲う、それをソニックが倒すと今度はその中から一回り小さな車が出てくる。それもソニックが倒すと今度は車輪だけで追いかけてくる。それまたソニックが倒すと今度は中から小さなヘリコプターが出てくる! さらにそれをソニックが倒すと中から爆弾が!! 小さな爆弾なので投げてしまえば終わりだと思ったらそれが手にくっついて離れないのだ。なんという用意周到さだろう。
そんな天才科学者なエッグマンだが、近接戦闘もできるという完璧ぶりで面白くもめちゃくちゃカッコイイ男なので是非見てほしい。
ソニックは冒頭で良さを書いたので省略するとして、トムに関しては見せ場が悉くネタバレかつ説明しづらいのでここでは伏せておく。でもなかなかやる男なんですトムも。
バケツリストの哀愁
今作でソニックの哀愁を演出する上で大きな役割を担っているのがこの「バケツリスト」だ。日本人には馴染みのない言葉だが要するに「死ぬまでにやりたい事リスト。」のこと。首に縄をかけて土台にしたバケツを蹴ることで自殺できるということで自殺の意味にもなる「kick the bucket」が転じて死ぬって意味にもなったみたい。
最初は半ば強引にソニックに連れまわされていたトムが、道草を食うとエッグマンに見つかるから急ぎたいといいながらもソニックに地球を楽しませてあげるシーンで言うのだ「バケツリストでも作ったら?」と。言われてすぐに素直に紙とペンを調達して楽しそうに書くソニックだが何かに気づいて寂しそうな顔をする。
「トム、やりたい事が多すぎて書ききれないよ。」
エッグマンから逃げ切ったあと、別の世界に逃げなくてはいけないソニック。それをどうにか叶えてあげようとするトムの姿はバディであり友達といった雰囲気で大人でも気を抜くと涙が頬をつたってしまうイイ関係。
「一時間だけだぞ」
早く逃げて目的地に行きたいトムがソニックを甘やかすシーンがそらもう最高なので見てほしい。
総評
ストーリーとかにヒネりは無いので子供向けといえば子供向けだけど、ゲーム中でなんで集めてるのかよくわからなかった「リング」がめちゃくちゃスゴいモノだったりとか、ソニックを映画にする上でのオリジナルの味付けなんかはスッキリまとまっててめちゃくちゃよかったと思う。
ソニックといえばこの赤い靴だと思うんだけど、実は映画では最初にはいてるのはボロッボロのシューズなんだよね。そのあたりのサービス精神はやるじゃん! といった感じ。あと敵役のドクター・ロボトニックも劇中で段々と「エッグマン」になっていくのも演出としてよかったと思う。あとなんで「エッグマン」なのかもわかったりする。
めちゃくちゃオススメの神映画!というワケではないけど誰がみても「結構たのしかった!」っていう1時間40分をおくれる良作ではないかなぁと思いました。あまりに貶すところがないのでステマ記事みたいだけど本当にこれといった欠点があんまないんだよね……
あえてケチをつけるなら続編が決まってるんだけど、続編では今回書いたような「良さ」の演出って難しいと思うんだよね。ソニックの魅力の出し方が上手かったという話だから。次はその魅力を知った人が見るわけだけど今回ほどの振れ幅はないように思う。正直いってあまり次には期待できないと思うがジムキャリーが最後めちゃくちゃイイ感じで終わるのでまた映画館にはいってしまうかもしれない。

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1. はちまき名無しさん
これは絶対見なきゃ