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Xより

「人を殺してはいけない理由」について、『トロピコ』を例に語った投稿が話題に




以下、Xの投稿より

「人を殺してはいけない理由」にはいろいろな試案があるが,どれも内面化してくれなくてしっくり来ない人におすすめしたいのが『トロピコ』っていうゲームなんだよな。自分がやったのは「2」だった。↓

これは南洋の小さな島国の独裁者視点でやるシムシティみたいな感じのゲーム。いまどきのSwitchだとかSteamでのゲームしかしらない世代にはわからないだろうが,この時代のパソコンゲームはA5くらいのサイズの箱に入って売っていて紙製のマニュアルなんかが付いてきた。↓

マニュアルと一緒に同梱されていた小冊子では,実在したいろいろな独裁者を紹介したものだった。どの独裁者も最低のクズとして描かれていた。国民の事は平気で殺すし,私利私欲で宮殿を立派にしていた云々,という調子で。↓

ゲームを開始すると,島の殆どが森林となった美しい島が現れる。ゲームの話ではあるが,その島を見たとき,俺はこう思ったものだーーーこの島を立派に発展させてやるからな,と。↓


シムシティと似たようなゲームだ,と言ったが,スタートとなる経済水準が問題だった。売るものが材木ぐらいしかない。そして,木を売っても1ドルにしかならない。もし製材してあれば5ドルで売れるが,製材所がない。↓

そこで製材所の建設を命じるのだが,そこそこ金がかかるし,製材所ができあがるまでに数ヶ月かかる。

しかし,これを加速する方法がある。お雇い外国人を使うことだ。しかし彼らの給料は高く,国の財政を圧迫してしまう。↓

そこで,いろいろな技術者を自給できるように,学校をつくる必要が出てきた。島育ちの人間は簡単には外に出られないから,お雇い外国人より安い給料で技術者を雇えるのだから,長期的には学校教育のための支出を埋め合わせてもお釣りが来る。↓

そんなふうに考えて教育水準を引き上げると,民衆は新聞を欲しがるようになった。ほうっておくと不満がたまるので,新聞を作ってやると,なんと,大統領の独裁に対する批判が書かれるようになった。

こっちもトサカに来て,反対運動をしてるやつらを逮捕するんだけど,そうすると選挙を要求する運動が盛り上がってしまった。仕方ないから選挙をするんだけど,大統領への助言者(悪魔)が「票を操作できます,絶対バレません」と言ってくるので,ありがたく票を操作する。↓

しかし,不思議なことに翌日の新聞の一面に不正選挙の告発が出ていて,反大統領運動がますます活発になってしまう。いやまて,国の経済を良くするために学校を作って言論の自由(もちろん大統領の批判は許さないが)を与えたのは俺だぞ??という怒りが湧いてくる。↓

そのあたりで,悪魔がまた「反対派のリーダーを暗殺するという手もありますよ」と唆してくる。もちろん断る。俺は確かに選挙の不正はやったが,国民を殺すほど墜ちてはいない。舐めるな。腹は立つけどな。

だが,大統領への退陣要求はますますエスカレートしてしまう。↓

こんなときに注意しなければならないのは身辺警護の兵士たちだ。いつ民衆側に寝返るかわからない。だから,寝返ったら損だということをわからせるために給与を思い切り引き上げ,武器も新しくしてやる。随分金がかかるが仕方ない。↓

もちろん,翌日の新聞では「大統領が保身のために無駄金を使ってる」と記事が出る。

一体誰がそんな記事を書かせてるのか?ということで,俺は数日前の悪魔のアドバイスにも一理あると考えるようになった。勘違いしないでほしいが,反対派を憎んでるわけではない。国の安寧のためだ。↓

その後も数日悩んだ末,反対派のリーダーだけ暗殺することを許可した。もちろん俺はいやだった。でもこうしないと国が持たないんだ。俺以外この国には馬鹿しかいないんだから,俺を追い出したらこの国はめちゃくちゃだ。そうはさせないために反対派のリーダー一人だけ,殺すのだ。↓

反対派のリーダーを殺せば,それが脅しとして伝わって,反対派が大人しくなるだろうと思っていたが,大きな計算違いだった。リーダーの長男は「おとうさん,あいつのことはぼくが必ずたおします」とかいい出してるし,もうわやくちゃだ。こんなことを望んでいたはずではなかった。↓

数日後,俺は悪魔に命令を伝達する。「残存してる反対派を,1ダースぐらい暗殺しろ」

思い返すと不思議だ。なぜ最初の一人を殺すまであんなに逡巡していたんだろう?やるなら最初から10人ぐらいどかんとやればよかったのだ。

きっと国民は俺を最低の大統領だと思うだろうが⋯。↓

経済はまあまあうまくいっている。砂浜に建てた「コロニアルスタイル」の安ホテルが,外貨をいいぐあいに稼いでくれる。いっそ島全体を外国人向けのホテルにすれば,さぞかし爽快であろう。もちろん俺の宮殿と港湾は除いて,だが。↓

国民から愛されていないことはよくわかるが,自分だけは自分を認めてやりたい。頑張っている自分へのご褒美として,大統領の邸宅(宮殿)の庭には自分の銅像と,立派な噴水を作った。随分金はかかったが,うまい具合に外貨を稼げてるから問題ない。↓

「どんな良いことにも終わりはある」。散々聞かされていたことではある。だが,こうも突然来るとは思っていなかった。深夜に悪魔がやってきて「プレシデンテ,逃げましょう!」と言い,夜陰にまぎれて宮殿を脱出し,いまは小さなボートで俺の国を,いや俺の国だった島を眺めている。

何度かゲームをリプレイしたが,大体はこんな感じで追放エンドになる。最初は理想に燃えていたのに,些細なことから自国民を平気で殺し,宮殿を飾り立てる狂気の独裁者に,自分の判断の積み重ねでなってしまったことに気づき,動揺した。↓

ゲームを何周かしてから同梱の,独裁者についての小冊子を眺めると,すっかり印象が変わっていた。「そうか,お前も俺みたいな感じだったんだよな」という気持ちが否応なく湧いてきて,大変ムカムカする。

特に「人を殺して問題を解決する」という行動を一回取ってしまうと,脳が自然に次回からの判断にそれを候補として挙げてきてしまうというのが,ゲームプレイを振り返って気付いたことだった。

もちろんこれはゲームであり,ゲーム制作者は,うまい設定によってほとんどのプレイヤーが「自由意志で」独裁者らしい行動を仕向けるような意図をもってデザインしている(と思う)。

とはいえ,一つ一つのイベントはかなり自然に感じられた。













この記事への反応



トロピコシリーズは善政がどれだけ難しいかを学べるゲームなんですよね。
不謹慎、下品要素は多いけど、政治・経済の学校教材にできるんじゃないかと思えるくらい秀逸な作品。


トロピコ5と6をやり込んだ
お金があれば民衆の不満も政治問題も経済問題も解決できると学んだ
貧乏で解決できる問題は何も無かった
このゲームは非常にリアル


トロピコはいいぞ……あれほどシナリオがしっかりした箱庭シミュもそう存在しない
ついでに人の命の大切さや儚さを学べるゲームとしては、Frostpunkもお薦めです。労働力と道徳のせめぎ合い、信仰心が解決するのは絶望か、統治者の痛痒か……埋葬がどれほど人にとって大切な儀式なのかも含め学べます


トロピコは毎回「商品作物栽培拡大まではココナツと魚で飢えを満たし、加工施設が建てば一気に設備投資で生産性改善、その利益をビーチに建てる高級リゾートホテルとカジノでヤンキー観光客から大金をかっぱぐ」戦略になってしまう。そうなれば資金潤沢で福祉充実で政治的波乱はなにも起こりません。

自分はポスタル2だな。
あれを楽しめたら殺人鬼の素質があるけど、俺は吐き気と気持ち悪さしか残らなかった。
殺してはいけない理由はわからないけど実際に素質があるのか無いのかを自分を客観的に判断できるゲームではあった。


トロピコの面白いところは、銀行の秘密口座に税金でピンハネした資産を溜め込むほどにゲームスコアが上がっていくとこ。島の発展よりスコアを上げるために島民を搾取してガンガン私腹を肥やすのだ、ウハハハ

とても同意できる。トロピコ4をやったが資源のない国だと金回りも悪く国を豊かにするのはとても大変だ。そうでなくても、国内のいろんな派閥や外国政府が自身の主張を好き勝手に述べ終いにはこちらから攻撃しなくても不満を抱えた奴が武器を持って攻撃してくる。トロピコシリーズはクセが強いが他の街

トロピコは面白いぞ
貿易もいろんな国の顔色伺わないと戦争になる
戦争に備えて戦力整えると経済を圧迫する
経済回そうと産業施設作ると国庫が減る、何なら元手が必要
産業施設出来ても景観や環境に悪いと反対派が怒る
反対派に配慮するとその反対派が怒る
バランスが大事なゲーム


私がやったのは5だけど発展と開発だけに注力してたらうっかりクーデター成功されたりしたのでわかりみ。
ウラン輸出してたら国連から怒られたから腹いせに缶詰にウラン詰めて輸出してやるぜ!とかもできるのでバカゲーとしてもオススメ(この後部下からめちゃくちゃ怒られる)。
トロピコはいいぞ


めっちゃ面白そうじゃんと思って調べたら、最新版のトロピコ6がSteamで12月5日まで65%オフの1749円で買えるという罠ね。買いましたよ。ちなみにSwitch版は40%オフね。







みんなもトロピコで理想の国を目指してプレイしてみよう

B09NLFZS6G
カリプソメディアジャパン(2022-03-10T00:00:01Z)
5つ星のうち3.9


B08WZY3Y73
カリプソメディアジャパン(2021-04-22T00:00:01Z)
5つ星のうち3.6