
ゲームクリエイター板垣伴信さんのフェイスブックより
新たな会社「板垣ゲームズ」を立ち上げたことを報告
日本語訳はフェイスブックのコメント欄に掲載
先日のBloombergの記事を読んでくれた皆さんへ。
公式に発表された記事では、文字数の制限から削除されてしまった原文を紹介したいと思います。
こういう削除や修正はwebzineではよくあることなのでBloombergのことを悪く思わないでください。
むしろ、私が以下のオリジナルをFacebookに投稿することを快諾してくれた彼らのフランクさに私は感謝しています。
それではコアな話を楽しんでください。私から皆さんへの、少し遅れたクリスマスプレゼントです!
以下、Q&Aから気になった部分を一部抜粋
Bloomberg:マイクロソフトとは最初どのようにして会うことになったのでしょうか?
板垣:出会ったタイミングはXboxのプロトタイプが完成した直後でした。製品版のローンチの13ヶ月前辺りかな。 MSが日本のスタジオと話を始めたのはその頃で、テクモもそのうちの1社でした。MSが私に会いたがったのは、おそらく、私ならマシンの全性能を最大限活用したゲームを準備できると思ったからでしょう。
質問:日本の会社の間では、当時はソフトの会社だったMSを懐疑的な目で見ていた会社もあったそうですが?
答え:そうですね、ハードウェアの作り方に対する姿勢は、任天堂やソニーとは明らかに違っていました。任天堂やソニーは両社とも、独自のチップや独自のアーキテクチャを使ってハードウェアを作っていました。一方、MSは、時間や予算を掛けず、むしろ既存の部品をアセンブルしたのですが、これらの部品から、最も可能性のあるものを作ったのです。そのため、日本のゲーム会社は、Xbox はただのPCバージョンだという印象を持ったんです。
質問:あっ、今のプレイステーションみたいですね!
答え:確かに。任天堂はまだ自社のやり方を貫いていて、それで大成功を収めているので、その点を過小評価することはできません。でも、ソニーは元のやり方を変えMSが最初からやっていたようなことをやってますね。 Xboxとプレイステーションには今後も良いライバル関係を持ち続けて欲しいと思っているし、両社とも成功することを願っています。
質問:MSは日本のデベロッパーの一部に対して丁寧に対応しなかったと聞いたのですが?
答え:そうは思いません。もしそんな態度がMS側にあったとしたら、MSをそのように振舞わせたのは日本のデベロッパーの態度が原因です。私はマシン指向の人間ですが、他の日本のデベロッパーの多くはビジネス指向なんです。MSがマシンについて説明する前に、日本のスタジオは彼らに尋ねるんです、我々にはどんな利益がある?我々の為に何をしてくれるの?と。最初からそんな態度をされたら、嬉しがる人間なんか誰もいないと思いますよ。
質問:DOA3の販売については満足されていますか?
答え:全世界で200万本以上売れました。それは会社の見込みを大きく上回る数字だったので、大成功でした。ですが、1つ大きな問題がありました。日本です。MSは当初ローンチ時に50万台コンソールを用意すると言ったので、テクモの販売チームは小売店からの受注を26.2万本まで積み上げたわけです。今でもこれらの数字をはっきりと覚えています。すると、発売直前、MSジャパンが謝りながら、25万台しか確保できなかったと言うわけです。ちょっと待ってくれ。それって、出荷待ちのDOA3の本数より少ないよね。そうとなっては我々にはどうすることもできませんでした。発売日になってしまったからです。Xboxのコンソール自身はきっと直ぐに売り切れたでしょうが、Xboxを買うゲーマーが皆格闘ゲーム好きということはありません。しかしハードの出荷台数が25万台では…。結局、DOA3は日本では初動で17万から18万本売れたと思います。Xboxが50万台出荷されていれば、DOA3の初回出荷分は、すぐに完売していたはずです。そこでDOA3に何が起きたかというと、Xbox本体の次のロットがすぐに出荷されないのなら仕方ない。他の新作に予算を回すため、棚からワゴンに移され、300円まで値引きされてしまいました。発売後、たった1ヵ月でです。小売店にとっては年末商戦の稼ぎ時だったし仕方ありません。ゲームには不公平な評判がたち、300円ゲームだと呼ばれました。私はとても悲しくなりました。だって、ゲーマーがワゴンに入っている安いゲームを見たら、これはひどいゲームに違いないと思いますよね。これはもどかしくて、悲しい出来事でした。また、こういうことがあったため、他のソフト会社もXboxでゲームを出したがらなくなったわけです。ほら、DOA3、Xboxに賭けたのに、もう300円で売られてやがる。日本のゲーム会社は、どちらかと言えば受け身で、最初に穴に飛び込んだペンギンがどうなるか、まず確かめたがる傾向があります。だから彼らはXboxから離れて行ったわけです。日本の会社からあまり多くのゲームが出なかったため、日本のゲームファンもまたじりじりと離れていきました。もしMSがローンチ時に約束通り50万台用意することができていたら、結果は大いに違ったはずで、Xboxは日本に於いてもまったく違ったマーケットポジションを得たかもしれません。それは、日本でのXbox事業にとって本当に重要な分岐点でした。日本での最初のXboxのローンチは、大失敗だったと言わざるをえません。
質問:板垣さんの近況について教えて下さい。
答え:過去4年間、後進に仕事を教えて来ましたが、またゲームを作りたいと思い、そのための会社を設立したところです。
質問: おお、それは素晴らしいニュースですね。Xboxのファンの多くがあなたの作品をきっと待っているはずです。
答え:あてにしておいてください。でなければ、今回のXboxの記事のためにインタビューを引き受けなかったでしょう。
質問:もしMSがあなたの会社をMSのスタジオの1つにしたいと言ったとしたら、どうしますか?
答え:はは、20年前にシーマスにした質問から始めると思いますよ。当時、私は彼に尋ねました。PS2に勝つ自信はあるのか、と。彼は、イエスと答えたんです。Xboxは「プロジェクトミッドウェイ」と呼ばれていて、俺はこれで覇権を取るんだと。だから私はその時、シーマスを信頼して実際10年近くXboxエクスクーシブのゲームを作ってきたんですよ。あれから20年が経って、私はテクモではなく、またヴァルハラでもない、私自身の会社、板垣ゲームズを立ち上げました。私はMSが今もなお、アグレッシブであることは知っています。もし彼らが、私の新しい会社に声をかけるのであれば、それはもちろん私にとって光栄なことです。
ブルームバーグのXbox 20周年記念したインタビュー記事(※英語)
この記事への反応
・あれ?ヴァルハラは?……って思ったらとっくに退任してた。デビルズサードコケてから全然見なかったからなあ
・またニンジャガイデンみたいなゲームを作ってほしいですね。
・ニンジャカイデンの製作を依頼しなよコエテク。
・デビルズサード2作ってくれ!!
・こういうのよく聞くけど成功してるのって IGA と HIDEO ぐらいな気がする。ニンジャガの精神的続編に期待したいけどデビルズサードで盛大にやらかしてるし雲行き怪しい(´・ω・`)
・楽しみだ
板垣ゲーは難しいけど気持ちいいからな
・何回か痛い目見せられたから様子見だけど期待したい。
【板垣伴信 - Wikipedia】
板垣 伴信(いたがき とものぶ、1967年4月1日 - )は、日本のゲームクリエイター。Itagaki Games代表、ヴァルハラゲームスタジオ最高顧問。代表作は『デッド オア アライブ シリーズ』、『NINJA GAIDEN』。
作品リスト
・デッド オア アライブ シリーズ
・NINJA GAIDEN
・NINJA GAIDEN BLACK
・NINJA GAIDEN Dragon Sword
・NINJA GAIDEN 2
・デビルズサード
板垣さんゲーム開発に復帰する模様
DOA3が日本でも売れていれば、日本市場のXboxはもう少し元気だったのかなぁ
DOA3が日本でも売れていれば、日本市場のXboxはもう少し元気だったのかなぁ

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はちま起稿
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1. はちまき名無しさん
どうせPSには出しません